単価に数量を掛けたら、小数点以下の数字が、長く出てきた。金額は、1円未満を切り捨てたい。そんなときに使うのが、切り捨ての関数です。エクセルには、INT・TRUNC・ROUNDDOWNの3つがあり、似ていますが、結果が変わる場面があります。
この記事では、3つの関数の違いと使い分け、マイナスの数での結果の違い、「表示だけ変える」方法との違いを、図解で説明します。
小数点以下を切り捨てる3つの関数
| 関数 | 書き方 | 特徴 |
|---|---|---|
| INT | =INT(数値) | 小数点以下を切り捨てて、整数にする(マイナスは、小さいほうの整数になる) |
| TRUNC | =TRUNC(数値,[桁数]) | 小数点以下を切り落とす(桁数の指定ができる) |
| ROUNDDOWN | =ROUNDDOWN(数値,桁数) | 指定した桁数で、切り捨てる(桁数は、必須) |
3つとも、正の数では、同じ結果になります。違いが出るのは、マイナスの数のときと、桁数を指定するときです。
INT関数|整数にする
=INT(数値)
小数点以下を、切り捨てて、整数にします。「=INT(3.7)」は「3」です。マイナスの場合は、「=INT(-3.7)」が「-4」になり、数値より小さい整数になります。
TRUNC関数|小数点以下を切り落とす
=TRUNC(数値,[桁数])
指定した桁数で、小数点以下を、切り落とします。桁数を省略すると、整数になります。「=TRUNC(-3.7)」は「-3」で、0に近いほうへ切り落とされます。
ROUNDDOWN関数|桁数を指定して切り捨てる
=ROUNDDOWN(数値,桁数)
指定した桁数で、切り捨てます。桁数は、必須です。0にすると整数、1にすると小数第1位まで、-1にすると、10の位まで残ります。

使い分けの目安
- 単純に、整数にしたい(プラスの数だけ):INT関数でも、TRUNC関数でも、ROUNDDOWN関数でも、同じ結果
- マイナスの数を、0に近いほうへ寄せたい:TRUNC関数か、ROUNDDOWN関数
- 小数第2位までで切り捨てたいなど、桁を指定したい:ROUNDDOWN関数
- 金額の10円未満を切り捨てたい:ROUNDDOWN関数で、桁数を「-1」にする
表示だけを整数にする方法との違い
セルの表示形式で、「小数点以下の表示桁数を減らす」ボタンを使うと、見た目だけが、整数になります。ただし、セルの値そのものは、小数のままです。
| 方法 | セルの値 | 計算に使うと |
|---|---|---|
| 表示桁数を減らす(ボタン) | 変わらない(見た目だけ) | 元の小数のまま、計算される |
| INT・TRUNC・ROUNDDOWN関数 | 切り捨てた値になる | 切り捨てた値で、計算される |
請求書や、集計表で、見た目と計算を、一致させたいときは、関数で、値そのものを切り捨てます。
切り捨てたはずの数が、合わないときの原因
| 症状 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 合計が、見た目と1ずれる | 表示だけを整数にしていて、値は小数のまま | ROUNDDOWNなどで、値を切り捨てる |
| 負の数が、思ったより小さくなる | INT関数は、数値より小さい整数にする | TRUNC関数か、ROUNDDOWN関数を使う |
| 結果が、0になる | 桁数の指定が、大きすぎる | 桁数を確認する(負の数は、整数の桁を切り捨てる) |
| 切り捨てても、#VALUE! になる | 数値が、文字列になっている | 数値に変換してから、切り捨てる |
もう一歩進める|切り捨ての応用的な使い方
10円単位・100円単位で切り捨てる
ROUNDDOWN関数の桁数を、「-1」にすると10の位、「-2」にすると100の位で切り捨てます。「=ROUNDDOWN(1234,-2)」は「1200」です。
時刻を、分単位で切り捨てる
時刻の計算には、FLOOR関数も使えます。15分単位などで、切り捨てたいときは、FLOOR関数で、基準の時間を指定します。
割り算の整数部分だけを、求める
「何個入りの箱が、何箱できるか」のように、割り算の整数部分だけを求めたいときは、QUOTIENT関数も使えます。余りは、MOD関数で求めます。
切り捨てのよくある質問
四捨五入や、切り上げは、どの関数ですか?
四捨五入はROUND関数、切り上げはROUNDUP関数です。ROUND関数、ROUNDUP関数、ROUNDDOWN関数は、同じ書き方(数値、桁数)で、使い分けられます。ROUND関数の詳しい使い方は、別の記事で、説明しています。
小数点以下を、完全に消して、文字にすることはできますか?
TEXT関数で、「=TEXT(A2,”0″)」のように指定すると、四捨五入された整数の文字列に変換できます。切り捨てた文字を作りたいときは、INT関数やTRUNC関数の結果を、TEXT関数で変換します。
金額の端数を扱うときの考え方
請求書や、見積書では、金額の端数を、どの方法で処理するかを、あらかじめ決めておく必要があります。切り捨て、切り上げ、四捨五入の、どれを使うかは、取引先との取り決めや、会社のルールによって決まります。
切り捨てた金額を、後で合計するときは、「各行を切り捨てて、合計する」のか、「合計してから、切り捨てる」のかで、結果が変わることがあります。式を作る前に、どの順番で処理するかを、確認しておくと、あとからのずれを、防げます。
まとめ
- 小数点以下の切り捨ては、INT・TRUNC・ROUNDDOWNの3つ
- プラスの数では、同じ結果になる。違いが出るのは、マイナスと桁数の指定
- ROUNDDOWN関数の桁数を「-1」「-2」にすると、10円・100円単位で切り捨てられる
- 見た目だけを整えたいときは、表示形式。値そのものを変えたいときは、関数


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